8/24-30の日程で,北海道の八雲で調査してきた.八雲には日大の演習林があり,2016年から毎年夏季に訪れて調査を行ってきた(昨年はコロナで行けなかったけど).今年度は研究員と院生に現地調査は任せる予定だったが,コロナの影響で(?)教員の同行が不可欠とかなんとかで,発表予定だった哺乳類学会もキャンセルして,ドタバタで現地に飛ぶことになった.
八雲で取り組んできたのは,動物の死体の分解過程についての研究だ.動物の死体は,少なくとも新鮮な時は,ほかの動物にとって豊富なエネルギーと栄養をバランスよく含むこの上ない資源だ.死体とその周辺には多種多様な生物が集まり,普段はなかなか観察できないような活発な生物間相互作用が起こる.その生物間相互作用が分解の方向性や速度にどのように影響するのかを調べるのが研究目的である.過去の調査の様子は,ここやここでも紹介している.
快適な宿舎があるのがいいところ |
今回は,院生の追加データ(主に甲虫のデータ)の取得と設置していた自動撮影カメラの回収がメインだった.院生がしっかりと準備してくれたこともあり,全体としてはかなりスムーズに調査が進んだ.カメラも2年間放置しっぱなしだったが,無事にほとんどのカメラを回収できた(しかも,大半を使用可能な状態で回収できた).普段はキツキツの日程で予定していた内容を終わらせるので精一杯なのだが,今回は,ほんの少しだけ釣りをしたり写真を撮ったりする余裕があった.
ササで作った有り合わせの竿で釣り |
釣ったイワナとヤマメ |
余裕があると,「自然の中で遊ぶのが好きだったよな」と今更ながら思い出す.竿の先で水流と対話しているとき,小難しいことはすべて忘れられる.いつの間にやら随分違う方向に向かってきているが,私はもともとかなりの野生児で,理屈をこねるよりも自然と一体化することに楽しみを見出していた気がする.今回は,ちょっとだけそのことを思い出せたのは大きな収穫だった.
いかにも北海道の景色だ |